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ピアノ演奏 合唱 合奏への取り組み |
昴はサバンといわれるような特殊な才能がない、知的に重い自閉症児です。 伸ばしたいと思うような音楽の才能なんてこれっぽっちもありませんし、 こちらにも音楽で情操を育てないなんて気もさらさらありませんでした。今もないです。
“マッチングを使うので、家での学習課題の一つとして取り組み易かった” というのと “学校でする合奏、合唱へのやもうえない?対応” が 家でピアノや歌に取り組んだ理由です。
昴は小さい頃は人から何かを習える子どもではありませんでしたので、音楽教室に通えたこともなく そんな子に音楽を教えてやろうという先生に出会うこともなくきてしまいましたので、先生についたこともありません。 ピアノはバイエルで挫折、でもとりあえずブラスバンド在籍経験のある母が簡単なアレンジに挑戦しながら 音楽の教材を作って家でピアノや歌を教えてきました。
今、昴がピアノを弾くことや、合唱に参加することを楽しんでいるかどうかはわかりませんが、 「一番得意なことは?」 と聞くと 「ピアノ」 と答えることが多いです。 1人で弾いているだけでも自信になるようですが、人前で発表する機会もあって、拍車がかかってきています。 そして今、発表させてもらったり合唱に参加させてもらったりすることは 周囲の人から親しみを持ってもらうことや、繋がりを持ってもらうことのきっかけにもなっています。 この身についた技や繋がりは一生ものとして期待しています。
昴の演奏やその指導を紹介させていただきますが、書きましたようにその方法は音楽素人の我流であり 情操教育を目指したものでもありません。音楽の専門の方には褒められないものかもしれません。 参考にされる方はその点を是非ご承知おきいただきたいです。が、返せば、“素人でもできる” です。
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音符を色分けし、鍵盤に音符と同じ色のシールを貼って、音符の色と鍵盤のシールの色をマッチングさせることから始めました。 色音符を使って作る楽譜を少しずつレベルアップをしていきました。 色音符を使っていても普通の楽譜で弾けるようになりましたが、色の助けがあれば難しいこと、新しいことに挑戦し続けられます。 |
人と一緒に歌うことも、その場にいることもできませんでした。 まずは、歌に興味が持てるような工夫をし、続いて歌詞がわかりやすいこと、今どこを歌っているのかわかる工夫をした教材を用意しました。 教材を使って個別練習をして自身をつけることで、合唱に参加できるようになってきました。 |
何かを人と一緒にやることは苦手なことですが、折に触れ合奏をすることにも取り組んできました。 色音符の楽譜、今どこを演奏しているのかわかる教材の導入で苦手なことにも挑戦できています。 |
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ピアノ演奏 の取り組み |
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ピアノえほん 堀野羽津子編 成美堂出版 音が色分けされていて、音符に色がついています。 ピアノの鍵盤にカラーシールを貼って 音符の色にあわせて鍵盤を叩いていくと曲になる という小さいお子さんでも音楽の楽しめる方法を提案している本です。 昴が幼稚園の時、偶然本屋さんでみつけました。 本は自閉症児を意識したものではありませんが 視覚、色の分別に強い昴だったので「これならいける」と導入しました。 |
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色音符と鍵盤の色シール ピアノえほんには、鍵盤に貼る色シールが付録でついていました。 ピアノえほんのシールでなくても色シールは自分で作ればいいでしょう。 (ピアノの鍵盤にシール痕が残るのが心配なら、よいシール素材を選んで) タッチが軽く、子どもの手に多きさが合う、学習課題として机上で使えるので 初めは鍵盤ハーモニカにシールを貼って鍵盤ハーモニカで練習しました。 “吹きながら弾く”ことは難しく、長い吹き口を付け親が横で吹いてやりました。 |
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ピアノえほんの中の楽譜 ピアノ絵本の中の楽譜はよく親しんだなじみの歌ばかりです。 でも、すぐさまこれを見て弾くということは難しいです。 子どものできそうなことから始め、進歩にあわせて楽譜は手作りしていきました。 参考までに ピアノえほんの楽譜例 むすんでひらいて
ピアノえほん での音の色分け |
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鍵盤を叩く 導入練習 基本ステップ 鍵盤に貼ったシールと色のマークを見て同じ色をマッチングさせます。 マークと同じ色のシールの鍵盤をマークの数だけ叩きます。各色やってみます。 慣れてきたら音を増やす、リズムを変えるなど少しずつレベルアップします。 導入の部分のスモールステップは こちらを参考にしてください。 |
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知っている歌の楽譜を作って弾いてみる 色音符に慣れてきたら 五線譜やオタマジャクシは(まだ混乱する?ので)使わずに 色音符を使って、子どもがメロディを覚えていて歌える曲の譜を作り、 これを見て一音一音確かめながら一緒に歌ったり、弾いたりします。 |
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五線譜 色音符を使った楽譜に 片手で挑戦 色音符の導入 参考基本ステップ の最後のステップまできた後 五線譜に色オタマジャクシを使って曲の譜を書きます。 初めはよく知っている曲の右手のメロディだけにします。 |
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レベルアップ ステップ1 色音符で練習した後 同じ曲を黒い普通の音符の譜にかえてみる 楽譜例 ちょうちょ
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レベルアップ ステップ2 両手で弾くことに挑戦 ヘ音記号を導入するので難しくなるため右手、左手用ともに色音符を使う 初めは両手ともメロディを弾く マスターしたら 次に左手を伴奏にした楽譜を練習する 楽譜例 ちょうちょ |
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レベルアップ ステップ3 ト音記号の右手は黒オタマジャクシにステップアップ 伴奏も少し難しくする ヘ音記号及び伴奏の左手は難しいので色音符のままで |
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レベルアップ ステップ4 右手(ト音記号)左手(ヘ音記号)とも黒いオタマジャクシでも弾けるように |
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レベルアップ ステップ5 音域の広い曲にする、和音を使うアレンジをするなど少しずつ難しくしていく 自信のない音域の音や、和音、♯、♭が途中でかかる時は 上レ(オクターブ高い) 下ソ(オクターブ低い) ♯ファ ♭シなど音符に書いておく 繰り返しの記号で繰り返すことができなかったので、繰り返しがある場合は 記号を使わず終わりまで続けて全て楽譜を書いていた |
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レベルアップ ステップ6 和音を多くする 伴奏を難しくするなどアレンジを難しくしていく 繰り返しの記号を理解する 黒オタマジャクシの楽譜でも読めて弾くことはできるが、 少し難しいところは色音符にしてやると抵抗が少なく、マスターが早い |
小学4年生の時の写真 |
現在の我が家の練習の方法 家での課題の時間内に ピアノ練習を課題のひとつとして取り入れてきました。 繰り返しの練習が嫌いなので、初めに何回やる と伝えますが、基本一回のみ。 でも学習時間にいれているのでほぼ毎日練習できます。 各楽譜は一回しかやりませんが、並行は可能なので複数曲練習しています。 基本的に知っている曲、好きな曲を楽譜にしています。 初めのうちは全く曲らしく聞こえませんが、口出しせず好きにやらせます。 一応楽譜でリズムも読めますが難しい時は曲を流したり弾いて聞かせます。 指使いや、リズムの違いはうるさく直しません。 楽しく弾けて満足することを優先しています。 一曲3か月ほど待ってやると、弾けるようになってきます。 |
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♪千の風になって♪ の演奏 16歳 学園祭で弾きました。 画像をクリックしてください。 YOU TUBEへリンクします。
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合唱参加 の取り組み |
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ペープサート付き 歌詞カード 小学校1年生時 音楽の授業に全く参加できていない様子を聞きました。 ビデオで歌詞が流れよく知っている歌を入れていただくようお願いしました。 歌詞カードを作り、ビデオに出てくるキャラクターのペープサートをつけて 興味が向く工夫をしました。 |
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音色分け歌詞 色音符の理解ができてきたので、歌の歌詞にも音の色をつけて 音の高低がわかるようにしました。 |
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イラスト付き歌詞カード 歌詞の言葉の意味が全く理解できず、昴には呪文と同じと想像されるので (ちなみにすばママは “うさぎ 美味しい” だと かなりの歳まで思っていた) 部分的にでもイメージできるよう、イラストを入れてみました。 歌詞カード ふるさと |
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パワーポイント カラオケ教材 小学校6年生から パワーポイントを使って今歌う歌詞がカラオケの歌詞のように画面に流れる 教材を作り、家で練習することを始めました。 「今、どの歌詞を歌えばいいのかわかる」ことで、歌えるようになり 合唱に参加できるようになりました。 画像をクリックしていただくとパワーポイント教材のイメージをご紹介できます。 |
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パワーポイント教材から楽譜を作る 学校の授業ではパワーポイントを使うわけにはいかないので 家で練習しているものと同じ画面ならわかりやすいかと考えて パワーポイント画面をプリントアウトした歌詞カードを作りました。 家で練習しているうちに歌詞を暗記してしまうので、 学校で歌詞カードはあまり必要はないようです。 |
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テナーパート 家での練習 中学1年生から 3部合唱になりテナーパートを覚えていかなくてはいけなくなりました。 インターネットから合唱曲のパート別の音源をダウンロードし、 パワーポイントでパートのメロディが流れるようにしました。 覚えてきたら、ピアノ伴奏版に変えていきます。 画像をクリックしてください。 YOU TUBEへリンクします。。 |
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連合音楽会での ♪手紙♪ 学年合唱 中学3年生 市の中学生の連合音楽会において 学年課題曲 ♪手紙 拝啓十五の君へ“を学年全員で発表しました。 昴は2列目 向って右から 6番目位 顔だけ見えています。 映像を見るとこの中の一人でいられたことに今でも涙が出てしまうほどです。 画像をクリックしてください。 YOU TUBEへリンクします。 |
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♪ヘンデル ハレルヤ♪ テナーパート ↑のような合唱に参加できたので、合唱を続けられたらと思っていましたが、 昴のような者が入れる合唱団はあるのかないのか、それすらわかりません。 そんな時、教会に「クリスマスにハレルヤを一緒に歌いましょう」のチラシが! 聖歌隊の合唱に参加させていただく挑戦をしました。 パワーポイント技法を使えば、ハレルヤ参加も夢ではありません。 画像をクリックしてください。 YOU YUBEへリンクします。 |
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色音符を使った歌詞譜 ハレルヤは英語歌詞で、同じ歌詞と似たようなメロディの繰り返しが多く 楽譜を見ながらでも譜と歌詞の両方追いかけることが難しい ということで、五線譜にカタカナ歌詞を書き色音符の色をつけました。 これで歌詞も音の高低も一目でわかり歌いやすくなりました。 が、これの恩恵に与ったのはすばママで、昴はとうに暗譜していました。 楽譜 ハレルヤテナーパート |
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♪ハレルヤ♪ 本番 音程が不確実、声質が合唱の声ではないので、 昴が合唱全体のできばえを下げてしまっているかもしれません。 でも、皆さん昴の参加を温かく迎えてくださいました。 ♪ハレルヤ♪は クリスマスには毎年歌うものなので、 一度覚えれば一生ものです! 来年も再来年も、歳をとっても皆さんとしかも健常の皆さんと歌えます。 画像をクリックしてください。) YOU TUBEへリンクします。。 |
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合奏参加 の取り組み |
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ハンドベルのコラボレーション 小学校2年生 ハンドベルの演奏を担任の先生と2人で発表しました。 色音符の楽譜を見ながら音を追えるようになっていたので、 色音符の楽譜をみながら 一人で 3〜4音担当することができました。 |
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合奏に離れて参加 小学校4年生 合奏に大太鼓で参加することができましたが 皆と同じステージに上がって演奏するのを嫌がって、自分でこの位置ならする と決めてステージ下からの参加でした。 |
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ユニット結成 小学校5年生 昴が伴奏、すばママがフルートのユニット マリオ&&ルイージを結成し 曲はゲームキューブソフトドンキーコンガでなじみの“ラ・バンバ” にして、 家で練習を重ね、お別れ会にステージに上がって合奏できました。 昴はメロディのない同じパターンの繰り返しの多い伴奏に結構苦労しました。 合奏楽譜 ラ・バンバ |
画像をクリックしてください どんな教材だったかのイメージが伝われば・・・ |
合奏パート練習教材 小学校6年生 帰国して日本の小学校の音楽会 学年合奏 “情熱大陸” 楽譜にはないウッドブロックのパートを作って参加させてもらうことに。が、 合わせられない→練習に参加できない→練習を邪魔する というようになり “今どこをやっているのかわからない”のが問題ではないかと考えて PCの音楽作成ソフトに全楽器の譜を打ち込み演奏が鳴るようにするとともに 昴のパートも打ち込んで、ソフトを起動して曲の画面をスタートさせると 画面で今自分がどこをするのか追いかけながら演奏できる教材を作り 個別練習を続けて自信がついたところで、全員合奏の中に入るというやり方を しました。 練習でも本番でもステージ上で皆と合わせて完璧に演奏できました。 楽譜 情熱大陸ウッドブロック |
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