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コミュニケーションの促進


 

自分からの要求

要求があっても、自分から要求をすることができずに、走り回ったり、イライラ手を叩いたりしていました。次のようなことを試みているうちに、自分から要求できるようになってきました。

 

質問に答えさせる

「ぼくの将来の夢は?」そんな質問に答えられるわけもありません。でも、文集作りとかあると必ず聞かれるんですよね。

  

 電話にでる

今でも、電話に出ることはできません。

「見えない人の声が耳に聞こえてくるのが嫌なのか」と考えまして TV電話を使ってみました。

 

コミュニケーション支援

母親にだったら言えることも場面や相手が変わると言えないこともあります。

この人からの指示は入るけどこの人からのは入らないなんてこともあります。

 

                                                         

 

                        

 

 

発語に役立ったもの 読み聞かせのあの手この手

 

お気に入りビデオと、その絵本

絵本を読んで聞かせるといっても、小さいころから興味を示して、耳を傾けてくれたわけではありません。

お気に入りビデオはいろいろありましたので、ビデオを何度も見て、完全に内容を覚えたころに、そのビデオのお話の絵本で、読み聞かせをしてみました。

そのビデオに出てくるキャラクターのペープサートを作ってお話をしながら動かして遊んで、ビデオやゲーム以外の動きや、人の口からでるお話にも耳を傾けてくれるようにもやってみました。

喜んで、少しずつ目を向けてくれるようになってきました。

絵本を見ると、ビデオの場面が頭の中に浮かんでくるようで、興味を持って絵本を楽しんでくれるようになりました。

 

イラスト付の歌の絵本

4歳の時、ブラジルでセラピストさんから「課題ができたらご褒美をあげるという方法で課題をさせなさい」というアドバイスがあり、家での学習がはじまりました。

昴には、童謡絵本を開いて、一曲ずつ歌ってやるのがご褒美になりました。

このご褒美を大変気にって、「もっと歌え、もっと歌え」と一時期は、昴が課題をしている時間より、母が歌を歌っている時間の方が長くなってしまいました。(少しずつ他のご褒美へ移行しました)

そんなことから始まって、たくさん歌も覚えましたし、絵を見て歌を楽しめ、歌詞を見て歌うことへもつながりました。

読み合いっこ例  はらぺこあおむし

リズムがいいことと、食べ物のことがでてくるのでスラスラ覚えられたようです。

母 「月曜日」 → 昴 「りんごをひとつたべました。まだ・・・・・」

母 「火曜日」 → 昴 「   をふたつたべました。まだまだ・・・」 ・・・

という読み合いっこをしました。

読み合いっこ例   おおきなかぶ

これもリズムのいいお話なので、すぐ暗記してしまいました。

昴は、「まだまだかぶは ぬけません。そこで」

    「それでもかぶは ぬけません。そこで」 ・・・

という、フレーズの担当です。

時々、母は指にサインペンで登場人物の顔を描いて、昴が「そこで」と言うと、次の登場人物を登場させ、人形劇のように指を動かしながら、お話を進めていきます。

大喜びで、何度でもやってくれとせがまれます。

 

読み合いっこ例  あいうえおうさま

あ・あいうえおうさま あさのあいさつ、あくびをあんぐり ああおはよう 

い・いちごに みるくを いっぱいいれて いますぐたべると いいだすおうさま 

という感じで あいうえお・・・・ん までの短いフレーズが載っています。

昴が適当に開いたページの右ページを母が、左ページを昴が読むというかけあいをしていました。(このルールは昴が決めました)

読み合いっこ例  ないたあかおに

登場人物のセリフの部分を 母が読み、セリフでない部分を昴が読みます。

その逆にすることもあります。母は時々、登場人物のセリフを、関西弁風にしたり飯田弁にしたりしています。

グァテマラ日本人学校のPTA有志の読み聞かせの時間にも、この本を持っていって、秋田県出身の先生と茨城県出身の先生に、それぞれの方言で村人役を読んでいただいたこともあります。

読み合いっこ例    ドラえもんの漫画

昴が のび太君 スネオ しずかちゃん 母が ドラえもん ジャイアン その他の人と役が決まっていて、セリフを読み合いっこします。

アンパンマンなら、昴がバイキンマン 母がアンパンマンになります。

スヌーピーは 昴がウッドストック 母がスヌーピー  これはセリフないですよね。   

いつも昴の中で、配役は決まっています。

 

 

 

 

 

 

 

 自分からの要求                   

 

   

やりたいこと意思表示カード

小学校一年生の時のものです。

やりたいことがあると、自分で始めるということはなく、「○○をやりたい」ということも伝えられず、イライラして手を叩いて走り回る状態でした。

そこで、やることを絵と文字でかいたカードを選択できるように作りました。

手を叩いて、走り回りだしたら「どれがいいですか」とカードをだして、選ばせて「○○やりたいです」と読ませるようにしました。

次第に、自分からカードを選んで、持ってきて「○○やりたいです」と言葉で伝えられるようになりました。

そして、カードがなくても、伝えられるようになり、走り回っていることも減りました。

 

 

やりたいこと選択ボード

小学校4年生の時のものです。

やりたいことを伝えるだけではなく、ここにカードのないものは、やるのをあきらめる、やっていることを変えたい時は自分でカードを貼りかえて、次のことに移る、「終わらせたい」時にはカードをとって「これは、終わりです」と戻すと、終わることができる などに役立ちました。

  

食事の行動選択カード

やりたいことと同じで、「おかわりしたいけど、言えない」「食べたいものがあるけど、言えない」「これで終わりか、もう少し食べていいのかわからない。でも聞けない」などで、食事中にも 何も言わずイライラ手を叩いてることが多くありました。、

「こんなことを言いたいのだろう」と思われることを、絵と文にして選択カードにして、イライラしだしたと見えたら、さっと見せるようにしました。

案の定、大抵「もっと食べてもいいですか」カードを選んでおかわりしていました。

振り返れば、これで調子にのっておかわりさせていたので太ったような気もします。

休み時間に何をする

学校で、休み時間ではないのに、ちょっと空き時間ができると、先生に告げることなくダッと自分のやりたいことに突入してしまっていました。

休み時間にすることを選択させ、「これをやりたい」と先生に告げて、許可を得てからできるようにする、授業時間中に勝手にできないことを理解させる などのために作り学校で使っていました。「トイレへいってもいいですか」は断わっていくことができるようになりました。

 

 

 

 

  

 

 

質問に答えさせる                         

選択肢

小学校3年時の、保健の授業の「健康」についての学習プリントです。

「何が好き」なんてとても簡単な質問に思われるかもしれませんが、それまで、そんな質問に答えさせるということはできないでいました。

自閉症の人は、

視覚的な補助をつけるとわかりやすくなる

選択肢の形にすると、選ぶことができる

ということを初めて踏まえて、作ってみた質問用紙です。

写真があって、二つのうちの一つを選べばいいだけなので、スラスラできました。

将来の夢選択肢

小学校4年時

先生から「将来なりたいものを書かせたいのですが、何かいい手はありませんか」と電話をいただきました。

「何になりたいですか」の質問には答えられません。

そこで、いろいろな職業の格好を描いて昴の顔写真を貼り付け、「おまわりさんVSコックさん。どっちがいい?」と一対一のVSで選ばせ、トーナメント形式で最終の答えを本人に選ばせることができました。

昴の将来の夢は「パン屋さん」になりました。 

 

 

 

  

 

 

 

電話にでる                              

テレビ電話

学校が終わり、帰宅前に母の電話にテレビ電話で電話をかけることを続けています。

普通の電話にでることはなかなかできませんが、TV電話の画面に向かって話かけることは、少しずつできるようになってきています。

着信音に聞き入ったりしていて、かかってきた電話を取ることの方が、まだ難しいです。

着信、発信時に押すボタンには、順番シールが貼ってあります。

 

 

 

 

 

 

 

コミュニケーションの支援                

学習中の表現援助

授業中に勝手に飛び出して、トイレに行ってしまったり、「わからない」と聞けずに、イライラ手を叩いていたりしました。

このカードを机の前に置き、トイレへ行くときはカードを指して「トイレへ行ってもいいですかと言ってからだよ」と数回指導しただけで、ことわって行くようになりました。

わからない時も、「教えてください」といえるようになりました。

ペックスもどき

PECSは、絵カードを用いた行動療法的コミュニケーション指導法です。

これは、教材の形だけ真似したものです。

下の文章バーに、言いたい表現を組み合わせて作らせ、その文章バーを相手に手渡しながら、声にだして表現を言わせます。

主に漢字の読みプリントをやる時に使うので、何回も「読み方を教えてください」の表現練習をすることになります。

学校生活でのコミュニケーション支援カード

親しい人となら要求を伝えたり、その指示を聞くことができても、初めての相手になるとコミュニケーションをとるのが難しいので、首から提げているクリアケースに入れて携帯させ、入学式や、託児の場面で、相手の方にカードの文を指していただいて「これかな」と聞いてもらう形で使ってもらいました。

「大きな声をだしません」は、相手からの指示ですが、このように絵や字になっていてこれを示されると、誰からの指示であっても理解することができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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