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歯をみがいたり、顔を洗ったりを自分からできるようになったらいいんですけど。こんなことでもなかなか難しかったんです。 |
お風呂に入って、自分で身体を洗えるようになってほしい。いつまでもお母さんが洗うってのはマズイしね。 |
かみの毛を切ることが大嫌い。特に耳の周りや頭の後ろを「いたい、痛い」といや借ります。床屋さんに行ったことはありません。 |
自分で着替えて、着替えた服をたたんでしまってと、そういうことができるようになってくれればねえ。 |
押さえつけられてやっていた歯科検診、海外渡航のための予防接種、健康診断。毎回頭が痛かったイベントです。 |
手伝いさせるったって大変です。まずは、好きな食べることに関係したお手伝いから取り組み中。ピザ屋になると言っていることだし |
こんな簡単な毎日のことでも、口で指示しただけではやりません。ところが、絵指示マニュアルを用意したとたん・・・ |
どこからどこまで、どうやればいいのかわかりにくいお掃除。普通の人には簡単でも自閉症児にやらせるのは簡単じゃありません。 |
歯みがき・顔をあらう |
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歯ブラシを持ったままウロウロしてちっとも始めないという時期が長くありました。 こちらには「歯みがきは自分でできるのだし、さんざんやってきているのだから できないわけがない」という思い込みがありました。 でも、もしかして 「できるはずのものでも、そのつど、どう取り組んでいいのか自信がなくて怖い??」 そこで、ノースカロライナの施設で見たような、歯みがきの手順表を作って洗面所においてみました。すると、安心して 自分から取り組むことができるようになったのでした。 手順表をノースカロライナで見た時は 「ウチの子はこれがなくても歯みがきできるから必要ない」と思っていましたが、やはり あると安心なようすです。 口の中は見えないので、何をどうすればいいのか、そしてどこまでやったら終わりなのかがわかりにくいんですね。 ― 見えないこと(手順)の視覚化 ―
夏休みの期間 「歯を磨いて洗面をして、着替えをしてから (その後に勉強もありますが)でないと「好きなゲームができない」と 毎日繰り返したことで、自分から洗面をする習慣がつき始めました。 ― 習慣化 ご褒美利用 − |
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「歯みがき紙芝居」 をパワーポイントで 作りました。 そして「歯みがきの歌」 というオリジナルソングも 作りました。 携帯端末機(ウィルコムw−zaro3)では作った音楽と パワーポイントの再生ができるので これにデータを入れて いつでもどこでも 歌と紙芝居が再生できるようにしました。 これが始まると 魔法にかかったように洗面所に向かって歯磨きを始めます。 |
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神戸市には、普通の歯科医院ではなかなか治療が難しい自閉症の人の治療をしてくれる歯科医療センターがあります。 センターへ歯みがき指導に通うようになって、「歯の内側、噛み合わせ、外側と磨けるようにしましょう」と、歯みがきの目標が上がりました。 「歯の内側、噛み合わせ、外側」を磨くことも 図として一枚に現した手順表を作りました。 看護師さんから合格点をいただけるほど、ゆっくり、しっかりとは磨けていませんが、とりあえず、示されているところをブラシは通過しているようです。
歯科センターでの指導 |
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絵本「はははのはなし」です。 歯科センターへ通うようになって、「歯を磨く」ことに興味を持ち、自分から家の本棚にあったものを引っ張り出してきました。 絵本の最後に、歯が悪くなった人が病気になって寝ている絵があり、「これはどういうことだ、説明してほしい」と気になったようです。説明してあげると、そうなっては大変、一生懸命歯をみがかないといけないと思ったようです。 |
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歯科センターでは、患者さんの興味や特性にあわせて、看護師さんが支援グッズを工夫して作ってくれます。これは看護師さんが作ってくれたもので、バイキンマンが磁石シートで貼り付けてあって、磨けたらバイキンマンは退治されてはずされていくというものです。 |
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上の応用でみがくところにバイキンマンが現れるようにパワーポイントで作り、、ウィルコムw−zaro3で、見れるようにしたものです。 バイキンマンの絵が次の場所に移動するまではその場所をみがくことになるので、みがく時間も長くなってきましたし、一回スイッチを入れれば、お手伝いの人がつきっきりでやらせる必要はありません。 |
からだを洗う |
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歯磨きでの手順表が有効なら、体を洗うことも手順表が効果あるかもしれないと半信半疑で導入しました。 これまでは確認できるものがなく、手順がわかりにくかったのでしょう。 この一枚のおかげで 自分で体を洗うようになりました。 今 自分は全体の流れのどこをやっていて 次はどこをやりどこまでやれば終わりになるかがわかると、安心でき、取り組めるようになったのだと思います。 紙面が小さくて、絵に描ききれなかった部位は洗いません。 自閉症ならではの律儀さ?応用力のなさ?でしょうか。 ―見えないことの視覚 手順の視覚化― |
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上の手順表を使っていると、見事に 絵に描いていない背中や足の裏は洗いませんでした。 用紙を大きくして、背中や足の裏も描いたら、そこは洗うようになりました。 でも、今度は両足を一つの絵に描いてあるものだから片足ずつではなく、絵同じように両足をそろえて一度に洗っています。そういうところは忠実に従ってしまいます。 |
かみの毛を切る |
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髪の毛を切ることは「痛い、痛い」と嫌がりました。 髪の毛を切る間は、好きなビデオを見ながら、あるいはゲームボーイをしながらとしました。 ―ご褒美― 絵カードで「髪の毛を切る」ことを伝えようにすると、しぶしぶですが覚悟ができるようで以前よりすんなりイスに座るようにはなりました。 ―絵カードによる指示― |
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しかし、耳を切って血がでているのはケロッとしているのに、相変わらず、特に耳の後ろを切る時に「痛い、痛い」と言って、長い時間は切らせてくれませんでした。 ある高機能自閉症の方がおっしゃっていたことが頭をよぎりました。 「見えないと痛いんです」 「もしかして、耳の後ろを切る時は、見えないから、本当に痛いという感覚で伝わっているのではないだろうか??」 そこで、横や後ろも見えるような感覚になるように、 切っているところが見えるよう大きな鏡をおいて 「切っているところを示すカードを示しながら、「100回切ります」と回数を決めて数えながらやるようにしたところ、結構切らせてくれるようになりました。 これから、自閉症ということをわかってくれて、こういうカードを使ってやってくれる”床屋さん“を見つけることが課題です。 ―見えないことを見えるようにしてやる 終わりがわかるようにしてやるー |
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着替え |
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パジャマをたたむことは、「自閉症ビジュアル図鑑」に載っていた「服をたたむ時の台紙」を参考にして、これまた半信半疑で導入してみましたところ、この台紙があれば、脱いだパジャマをたたむようになりました。 今は ぐしゃぐしゃですが台紙なしでもたたみます。 ―習慣化 見えないこと=手順の視覚化― |
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プールでの着替えは、女性更衣室では着替えられない年齢になってくることをふまえその年齢以前に取り組みました。 着替えの袋は中が見える透明なものにし、素材がしっかりしていて口を開けやすいものを用いて手順を描いて貼っただけで、一人で取り組めるようになりました。 |
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検診・お医者さんへ行く |
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学校の歯科検診。毎年異常なしの紙をもらってくるものの、ハタと「家での様子を考えるとちゃんと検診をうけているのだろうか」と疑問がわいてきました。 学校の先生に聞いてみると「3人がかりで押さえつけて、一瞬見るだけだった」 グァテマラ人の歯医者さんは「あれでは見たことになってないよ」と。 そこで、「歯科検診覚悟カード」と「歯科検診手順表」を下げて行かせました。先生からは「今年はスムーズにできました。驚きです」との報告をいただきました。 ―心の準備 手順の視覚化、終わりがわかるー
次の年は、検査の手順をもう少し詳しく描いて持たせました。 普通に検診を受けることができて、歯医者さんからも「一年生の時からみると、すごーい進歩だよ」と褒めていただけました。 この歯医者の先生は、日本に留学されていたこともあり、日本びいきでしたし、学習障害のお嬢さんがいらっしゃったこともあって、昴の様子もよく理解してくださっていて安心してご相談することができました。 ―障害を理解してくれるお医者さんにめぐりあうことー
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一時帰国の際、健康診断を毎回しなくてはいけなかったので、お医者さんにお願いして、眼科検診、レントゲン撮影、内科検診の様子を写真に撮らせていただき手順表を作りました。これで、視力検査の機械に座ることや、レントゲン撮影、血圧測定がスムーズにできるようになりました。 病院の検査をする方も手順表に興味を持ってくださいました。 手順表を使った最初の年は、2番の耳鼻科検診が終わってふとみると、スッキリした顔でトイレから出てくるところでした。(もちろん採尿はせずに)「トイレ」だけが頭にインプットされてしまっていたようです。 耳鼻科検診と聴力検査、採血(動くと危険ということで看護師さんと相談の上やらせていません)はまだできません。 |
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昴は絵本が大好きです。「ひとまねこざる びょういんへいく」の本も大好きです。 自分の具合が悪い時は自分からこの本を枕元において「今自分はジョージと同じなんだ」と確認して静かに寝ている行動も出てきました。 大変健康なのでめったにお医者さんに行くことはありませんが、お医者さんへ行く時は、この本を見せ「ジョージもお医者さんへ行ったね。薬を飲んだね。注射をしたね」と言ってやると素直に自分もジョージになってくれます。
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調理・ピザ作り |
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本人が「ピザ屋になる」と言ったのが発端で、昴のピザ作りが始まり、昴のお客様に来ていただく時は、「昴がピザ」を作るということが、お決まりのようになってきました。 でも、何の準備もなく、「さあ、作れ」というのでは何もできません。 調理をするという課題は 何を、どの位、何に入れて、何を使って、どうやって、どの位の時間、どうなるまで、どんな大きさで どんな形で、どうなると終わり、と見えないことだらけです。 それを見えるように表した手順表を用意しています。 また、能力的に難しい過程もあり「難しい、ワカラナイ」と思った瞬間、この作業は怖いものになってしまい 興味を持てなくなってしまうので、できる範囲のことだけですむように、 分量を計っておく、 道具をそろえる、 材料を小分けにしておくなど 難しくて本人が興味を持てない作業の下準備はしっかりしておき、「おしいしいところ」だけやらせて、作った気にさせています。 |
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チキンラーメンの作り方手順表です。 簡単な調理を自分ひとりでできるようにさせたいと思い、まずはチキンラーメンからということで、各工程をデジカメで撮って一枚のマニュアルにしました。
手順表を見ながら、ラーメン作り |
食器をあらう |
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自分の使った食器は、声かけすれば自分で洗うようになりました。でもいつまでたっても声かけしないとやりません。 そこで お皿洗い手順表を作って流しにおき、ついでに「お皿洗い音頭」も作って洗う時に歌うようにしましたら、またまた、魔法にかかったように自分から食器を洗うようになりました。 手順表があると、自信を持って作業ができるようです。 今では「お皿洗い音頭」を口ずさみながら 手順表がなくても(自分の使った食器だけですが)必ず洗っています。 |
掃除をする |
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学校の掃除の時間です。 「テーブルを拭くのにガイドのラインをつける」「ほうきでゴミをあつめる場所を、床にテープで囲って示す」など、作業ラインが見える工夫をしてきました。 写真は 掃くものがはっきり見えないことも、「何をしていいのかわからない」と混乱の原因になると考え、わざわざ新聞をちぎって床に撒いて、それを集めているところです。
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教室の全部の机を拭くという作業の時は、どの机から始め、どこで終わればいいのかわからなかったり、どの机を拭いたか忘れて不安になるのではと考え、机の番号シールボードを作りました。 まず、番号シールを机に貼る作業をします。次に机を拭き始め、机を拭いたらその机の番号シールをボードに戻していくという作業形式にしてみました。 できました。 後にはシールを貼らなくてもできるようになりました。 |
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屋外の落ちているゴミをトングで挟んで、下げている自分のゴミ袋に入れるという掃除にも取り組んでいます。 見えているものを自分の袋に入れるということで 何を 何所にが、決められた散歩コースの終点で終わりということで どれだけ どこまでがはっきりしていて、大変取り組みやすい作業です。 ただそれがゴミかゴミではないかの判断は少し難しいので、今のところ自分から拾うのはタバコの吸殻ばかりです。
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